虫歯を直すのは歯科医師
虫歯を治すのは患者自身
ちょっとした言葉の違いですが、なかなか歯科医師の中でも虫歯治療という避けては通れない治療ほど軽んじる傾向にありますのでまずこの話をさせていただきます。
まず、虫歯って昔からずっっっとどこまでが虫歯かわかんないって言う前提があって虫歯を見つける工夫がされてきました。
虫歯治療の変遷について
〜1970年:視診、触診の評価が主観的であったため、それに代わる手段を模索し始める
1970年〜:う蝕検知液の開発(Fusayama & Terashima, 1972; Fusayama, 1979, 1988)
それ以降基本は変わらない治療です。古くない??発展してないの?この分野。
まあ2000年頃に薬液で虫歯を溶かす治療を提唱していたグループもあります。
カリソルブって言うんですけどね。
検知液、カリソルブ
どちらも多用すると削りすぎて良くないんです。
さて、結局虫歯は完全除去が無理な病気ということです。
虫歯の成り立ち
大体わかりますよね。菌がいるから引き起こされるのが虫歯の特徴です。
虫歯の原因
菌が除去できれば虫歯進まないんです。逆に治療しても歯磨きしなかったらすぐ虫歯になります。
なぜって??
菌がいるからです。
歯磨き何のためにしてますか?
- 食べかすを取るため
- みんなやっているから
- 菌を取るため
- 好きなあの子とキスするため
多分3,4は正解ですね。
食べかすとっても菌が独自で生産する菌体内多糖を栄養源にして虫歯は進行します。しかし菌を取れば、歯への再付着は6時間後そこから18時間かけて成熟し虫歯を生産する菌の塊になります。24時間以内に菌を完璧に取り去ることが虫歯にならない、虫歯を進行させない唯一の方法です。
はっきりいうと歯磨きできない人は治療ができません。だからこそ来院された患者さんは確実に歯磨きの方法を向上させ、長期間の安定維持に繋げることができます。
4のような動機であっても歯磨きが向上するならいいと思います。完璧な歯磨きを追求していくことは私たちと患者さんの間で試される最初の共同作業です。まずはそこから頑張りましょう。
結局歯科医師ができるのは穴を埋めたり見た目を綺麗にすること
虫歯を起こさないようにするのは患者さん自身の日々の習慣という話でした。