さて、唐突ですが深い虫歯を見つけたらどうしますか??
虫歯取りきる?とりきらない?
神経出たらどうする?神経の治療する?しない?
とっても難しいところですね。

こんな虫歯ならどうする?
ということで今日はこの治療法に対してその道のプロの文献を交えてお話をしたいと思います。
①深い虫歯をとる時の治療法とその予後
私の経験としてはできることは全部やりました。
例えばう蝕を取り切ると神経が露出するので取り切らなければどうか?IPCと呼ばれる方法です。


神経が露出するリスクは減らせそうですよね。この上記のやり方は再度う蝕を期間をおいて取り切るというやり方です。

上記のやり方は部分的に除去して終わる方法です。
やはり完全に除去するのに比べて露髄のリスクは極端に低いです。

上記の方法は何も取らない、もう神のみぞ知る!!って感じでおまじないしながら材料を詰める方法。
そりゃあ露髄少ないでしょ。
ただし、考えなければいけないのは神経がその治療をして長く残せるかという点です。
私には神経残したつもりだったのに神経死んでいたことや神経が健全ではない状態を評価できなかった苦い経験があります。
つまり臭いものに蓋をするという治療はその長期安定性に対して責任が持てない治療になるということです。
では虫歯を取り切ってはどうか?

上記の方法は直接覆髄法と言います。
Efficacy of direct pulp capping for management of cariously exposed pulps in permanent teeth: a systematic review and meta-analysis
S. Cushley, H. F. Duncan, M. J. Lappin, P. Chua, A. D. Elamin, M. Clarke, I. A. El-KarimFirst published: 22 November 2020 https://doi.org/10.1111/iej.13449Citations: 45
Calcium hydroxide success rate was 74% at 6-months, 65% at 1-year, 59% at 2–3 years and 56% at 4–5 years. Mineral trioxide aggregate (MTA) success was 91%, 86%, 84% and 81% at the same time points.
つまり成功率は使う材料によって上下するが概ね5年くらいで80〜50%の成功率。

上記は歯髄切断法と言います。
私たちはVital Pulp Therapyと呼んでます。
② Vital Pulp Therapyとは

この論文は私にとっては海外の著名な研究者から直接送っていただいたかず少ない論文んでありとても大事に”フォルダ”にしまっているものです。
さて、まずう蝕が深部にある場合の神経はどんな状況か。

う蝕の周囲では炎症細胞の増殖、象牙芽細胞の減少が観察されます。
つまり血管拡張やその他たくさんの炎症反応が起きているということです。たとえう蝕が歯髄に達していなくとも。
そしてう蝕がさらに進行すると

一層壊死した組織が抜けてる部分が観察できます。
結局のところ神経を目で見て判断するしかないのです。

結局Vital Pulp Therapyは健全な神経を残す方法ということです。
③実際の症例





④ decision treeについて

⑤今回の索引
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31121241/